薬膳料理を学ぶ (4)  秋は白


9月に入り暦の上では秋。
山に住んでいると、確実に秋の気配が感じられます。朝晩の空気、虫たちの音色、まだ暑い日はあるものの、やはり秋を感じられずには入られません。




そして、今回の講義のテーマは「秋」。
秋と一言に言っても、中医学では四季を五行理論に基づいて、五季に分類され、それがさらに二十四節気と細かく分かれています。

ただし、基本的に、

中医学では【自然界のすべてのものは「春に生じ(発生)、夏に長じ(成長)、秋に収め(収穫)、冬に蔵む(きすむ=貯蔵)」という教え】があるのだということです。

納得!これは、シュタイナー教育においても、子どもたちの一年のサイクルのお話をする時にいうことと同じことです。


そして、中医学では、先を見越すこと、たった今、抱えている問題は、その前の季節にいかに養生したか、自分をケアをしたかで違ってくるとのこと。
つまり、秋の今、十分、養生すると言うことは、これから迎える春のため、と言うことです。
植物だって、春植えたものは春には収穫できないわけで、考えてみたら、この自然の法則は同じ地球に住んでいる私たち、人間も言えることなのですね。

春先の体の不調、特にアレルギーなどは今、養生することで、春の症状を改善することができるのです。



⭐️秋の薬膳  「身体をを潤し、気を補う」


秋のテーマは「白」。
白いものを積極的にいただきましょう。



体を潤す食材:

大根、れんこん、白ごま、百合根、山芋、卵、牛乳、豆乳、豆腐、いか、豚肉、牡蛎、白きくらげ、はちみつ、梨、柿、ぶどう




気を補う食材:
*里芋、さつま芋、山芋、牛肉、鶏肉、いわし、さんま、さば、米、きのこ類、くるみ、栗、なつめ



そこで、すぐに実行してみたことは

白砂糖からはちみつへ替えてみる
おやつには生のフルーツからドライフルーツへ替えてみる
薬味にはナッツ類を積極的に取り入れる
発汗作用のあるものは、生姜や辛いものを減らす
(体を乾燥させるので、体が温まるものを積極的に取り入れる)




この授業の前後は秋の気配だった、北カリフォルニア、途端に真夏日和に戻ってしまい、気がついたら、食べ物も、体の熱をとるものへ手が伸びていました。
ここでの、本格的な秋はまだ少し先のようです。

「先取り」、と、「先を見越す」は違うように、良いと言われるもの取り入れるだけではなく、今の環境で何が手に入るのか、何が旬なのか、何が適しているのか、自分の体と相談しながら、口に入るものを変えていくことが必要だと感じました。


とりあえず。。。
我が家のガーデンで取れたズッキーニをお日様の下で乾燥させています。
今日もこれをいただきます。





奥が深い、中医学、薬膳料理からの学び。次回も楽しみです。





今の私には、まだまだ、学びが浅く、あまり細かい説明はできませんので、気になったところを貼り付けておきます。





「白」と「肺」、一般的には結びつきを見つけることが難しい二つの言葉ですが、中医学の五行説において、「金」のグループの中に五臓の「肺」、五色の「白」が属していると考えます。すなわち、「肺」と「白」は同じグループなのです。
ここで、五臓の「肺」は呼吸器系全般を指します。よって、呼吸系の疾患である喘息や咳などは「肺」のバランスの崩れによって生じた症状であると考えることが一般的です。
また同じグループには「皮」も属し、皮膚の病気であるアトピー性皮膚炎や湿疹など皮膚病全般も「肺」の状態と関係が深いと考えられています。
そして「白」ですが、単純に顔色が白い時には「肺」が不調であると考えます。もちろん例外もありますが、色白の方は呼吸器系の病気やアレルギー疾患に気をつけるといいと思います。
また「白」色の食材は「肺」に良いとされます。下記に挙げてみます。
★大根...白い野菜の代表です。痰を取り除き、咳を鎮めるとされています。喘息症状がある方はたくさん食べるようにするといいでしょう。皮膚病にも良い食材です。
★白キクラゲ...なかなか目にすることが少ない食材かもしれませんが、生薬として使用されるほど、しっかりとした作用を持ちます。「肺」を補う作用があるので、中長期的に考えて呼吸器系が弱い方にお勧めしたい食材です。
★白菜...名前に白がつく代表的な野菜ですね。冷やし過ぎず温め過ぎずの性質を持つため、たくさん食べても構いません。呼吸器系症状に良いでしょう。
★ユリ根...おせち料理に使うことで有名ですよね。ユリ根も生薬として使用される「肺」に良い食材です。潤す作用があるため、空咳や皮膚の乾燥がある時に向いています。
★レンコン...それほど白くは無いかもしれませんが、呼吸器系疾患やアレルギー症状がある時に使用すると良い食べ物です。
その他、ネギや梨、ギンナンなども挙げられます。アレルギー疾患や呼吸器系疾患がある方はぜひ積極的に摂ってみて下さい。
ちなみに以前触れたように、秋は「肺」の季節です。これからの時期はもっとも注意しなけらばならないため、どうぞご注意ください。

コメント