作家のことを知ると、絵本の見方も変わる


絵本は一夜にして、できるものでもなく、ストリーは何も無いところから浮かぶものではありません。

作家の姿勢を、生きて来た過程を知ることで、絵本そのものが光をあび、生き生きとしたものになる気がします。


絵本を手にした時に、「あれ?」、「なぜ、これ?」などと、思った時が、調べどきです。
また、「どうやってこの絵本を読んだらいいのだろう?」と思った時が調べどきです。
疑問を持ったらチャンスと思い、リサーチして見ましょう。

 絵本作家の大御所、エリックカールの

"Brown Bear, Brown Bear What Do You See"を見てみると、その中に、

’I see a blue horse looking at me’とあります。実はこのページを初めて見た時、Why blue horse? と思ったのです。登場する他の動物や鳥は全て、実在する色なのに、なぜ、馬だけが青いのか?と思いながらそのまま時は流れ、数十年 (笑)。

そして、近年、改めて、自分の疑問を掘り起こしてみると、エリックカールの思いがそこに根付いているということを発見し、また、新しい気持ちで、絵本を楽しむことを知りました。


そこにはこんなお話が…

エリックカールは戦時中、ドイツで育ちました。その時、街の建物は空爆を受けないようにグレーや茶色に塗られていたそうです。また、人々の服装も地味な色合いだったので、その時の反動で、初めてイラストを手がけたこの絵本の中では、いろいろな色を使いたかったと言っています。

この絵本は、自分自身の楽しみのために青い馬を描いたとありますが、
これは、エリックカールを色彩の世界へと導いてくれた恩師、クラウス先生へ捧げたとも言われています。クラウス先生はエリックカールに新しい世界を紹介しました。マルクやマティスなどなど。ドイツ画家フランツ・マルクの「青い馬」は有名ですね。
そして、エリックカールもまた、絵本を通し、それを手にする子どもたちをモダンアートの世界へと導いていきたいと考えたのだとか…


そんな思いから出来上がったこの絵本、お話はビル・マーチン。
エリックの挿絵のインパクトによって、長く愛されている一冊だと思います。


Eric Carle インタビュー

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