薬膳料理を学ぶ (5) 秋から冬 白から黒へ





暗い冬。 12月21日、暦の上では「冬至」。いつもより、温かくして、早く寝て、遅く起きる。自然界の動物が冬眠するのも、植物の生育が盛んではないことを考えると、理にかなっているわけで、人間だけがこの時期、年末の慌ただしさの中で、真逆の生活をしている気がします。

中医学では、内臓を心(しん)・肝・脾・肺・腎という5つのグループに分けて考え、この5つは、五臓と呼ばれていて、現代医学の内臓と同じ言い方ですが、解剖的な意味合いだけでなく、人体の働きや機能を5つに分類し、お互いに助けたり(相生)、抑制したり(相克)しながらバランスを保つ、という考えなのだそうです。


この季節、中医学では「腎を補う季節」


「腎(じん)」とは腎臓のことだけではなく、中医学では、腎は内分泌系、泌尿器系、生殖系、などに関係していて、生命エネルギーの貯蔵庫と考えられています。
成長と発育、排卵や生理などに深い関係がある器官なので、「腎」の機能が低下すると、慢性病や更年期障害、不妊などがおこり安くなるのだという事です。

聴力は「腎」と関係があり、「腎」の働きが弱くなると耳鳴りなどの症状が現れたり、
「腎」(裏)と膀胱(表)は表裏関係にあり、尿量の調節や排泄など、膀胱の機能に影響を与えるとのこと。



中医学では、体、食べ物などは色と深い関わりがあり、白い食べ物は肺に良く、肺が悪い人は血の気のない蒼白な顔色をしていると言われ、黒い食べ物は腎に良く、腎臓などが悪い人は顔色が薄黒くなると言われています。

また、それは黒い色の食べ物が腎を癒すという意味にもなるという事です。


この季節に食べたい食材は、腎を補う食材として

黒っぽいもの、殻の硬いもの

を意識して食べると良いということです。


黒豆、黒ゴマ、ひじき、のり、玄米、黒きくらげ、黒酢、小豆、くるみ、くり、などなど、
がすぐ私には浮かびます。


そこで、12月の精進料理は、「黒」を意識して、黒ごま、小豆、くるみ、しいたけ、ごぼう、昆布、八丁味噌などを使いました。

これから、お正月料理にも大いに参考になります。



普段白ごまをよく使うところを、黒ごまに変えたり、ちょっとした事で、見た目にも変化があり、体にも良い、身体が欲しているものを知り、毎日の食卓に取り入れることは良いことです。



ただし、最近は、精製された食品、添加物、化学物質などに溢れており、それらは身体にも良いことはなく、結果冷えを促すということなので
極力避けることから始めたいですね。


今の養生することが、これからくる、春を乗り切る鍵となっているということです。

暴飲暴食、過食の季節こそ、心して、食生活を見直していきたいです。



Healthy eating, happy life




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