精進料理の心を伝える〜ハワイ島、マウイ島にて〜


今年の、ハワイ島、マウイ島での精進料理の会は合計7回、延べ100名以上の方々に食事と共に、「精進料理」について、お話する機会がありました。











お寺、曹洞宗関係の方々、日本からの日本人の方々、日系人の方々、他民族の方々、と

いく先々で、参加者のバックグラウンドも、年齢層も、知識も、興味も違いました。

そんな人々が、一同に集い、一緒に手を合わせて、

「いただきます。ごちそうさま」

と食事をする。


一緒に食べ始め、一緒に終わる。

周りの人々を見ながら、できるだけ同じペースで食事をいただく。



これは、精進料理の大切な心得の一つです。














行く先々で、新鮮野菜をいただいたり、現地で見つけたものを添えたりし、少しずつ、使う食材やメニューが変わることもあります。そして、できるだけ、オーガニックなものを、現地で調達し、野菜を丸ごと残すことなく使うことも精進料理を作る心得の一つです。











こうやって、いろいろなところで、他民族の方々にお話をすると、


「精進料理とは何?」


「私が伝えたいことは何?」


ということが少しづつクリアになって来たことを感じます。



精進料理は、レシピ通りに、野菜を切って、調理するということだけではなく、もっと深い意味があります。一言で言うと、 


「精進料理を作る姿勢、また、頂く姿勢が一番大事」

なのです。









曹洞宗の開祖、道元禅師は食事を作る心構えとして、その著、「典座教訓」の中で、

「三心:喜心、老心、大心」

を示されています。



喜心とは、喜びの心。

人間に生まれた喜びや感謝。今、目の前にある生命(食材)の恵みに対しての喜び。
料理が出来る喜び。



老心とは、孫や子供を愛するような慈しみの心。

母が我が子を思うように、無償の愛情をもって調理すること。
料理をいただく人を思う。


大心とは、山の如く高く、海の如く広い寛大な心。

食材、人に対して、偏見や固定観念を捨てる。






一生懸命、丁寧に

新鮮な野菜であっても、古く鮮度が落ちたものであっても、安いものであっても
高価なものであっても、区別せず、調理する。





作る喜び



みんなで楽しく




食材の切り方も作るものを考えながら




器に対して、盛り付ける量、彩を考える



丁寧に盛り付ける





そして、みんなでいただく




日々の生活においても、毎日の食事作りの際に、
忘れず、意識を持って、「食」に向かい、「三つの心」を忘れずにいたいものです。




今年も、ハワイは「食」を通して、日本の食文化に触れながら、多くの方々とご縁ができたことを感謝します。


























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