南米旅行記(2) ブラジルで精進料理



ひょんなことから、ブラジル到着初っ端に、
「精進料理の会」を開催する運びとなりました。
日頃から文化交流に力を入れているブラジル在住の友人から、せっかくの機会なので是非、と提案があり、私にとっても貴重な体験となると思い、
やって見ることにしたのです。













友人は、現地の仏教徒関係者で興味のある方々に声かけをし、農園を経営している友人に食材を一手に調達してもらい、事前の下準備も、当日の野菜の切り刻みもお手伝いしてもらいました。


















食後は歓談。そして記念撮影。



25時間の移動の後、初めての土地で、到着次の日の会は無謀かと思ったのですが、最強の二人のサポートがあれば、なんとかなるかなと思い、やっぱり、何とかなりました。足を運んでくださったゲストの方々の反応も上々で、思ったよりも数段良い会となりました。 


みなさん、ありがとうございました。






裏方助っ人かよちゃんと。お土産に持って行った

エプロンが似合っています。


とにかく元気な野菜と


アメリカでも、日本でも、そしてもちろんブラジルでは当たり前ではない元気なオーガニック野菜をふんだんに使わせてもらい、とても良い御膳となった気がします。レクチャーの方も、英語で行うことができ
友人夫婦にはポルトガル語での解説をしていただきました。 






残ったご飯は気がつくと、おむすびに。。。
こんなところが日本人。心意気が嬉しいです。


参加者は、大観寺TAIKANJIご住職、Enjoさんご夫妻とお弟子さんなどを中心として、



8名の方々が遠くから参加してくださいました。





私の作る素朴な精進料理が皆さんの口に合うかな、と内心、少し心配しましたが、皆さん、全て完食。そして、お伝えしたお作法に則って、静かに、一口、一口、噛みしめるようにして召し上がって下さり、ありがたかったです。 


私の開催する精進料理の会は、レシピを提供してのお料理教室ではなく、その根底に控えている、禅のフィロソフィーをお伝えすることだと思っています。 

そして、今回のブラジルでの会ではそれを全うすることが出来たと、
心から嬉しく思いました。 



精進料理は曹洞宗の開祖である、道元禅師が確立したものです。そして、これは現代の和食の基礎ともなっています。いま、和食は世界的にも注目を浴びていますが、日本人であっても、その作法は曖昧な方が多い気がします。もちろん、「これが正しい作法」、と一作法が正しくて、あとは間違い、と言い切ることはできませんし、道元禅師の著書の中では、作法、その形だけに意味があるわけではなく、「なぜそうするか?」、お料理に対する姿勢、食す時の姿勢、心配りについて書かれています。まさに、Mindful deeds マインドフル、「意識を持った行為、心した行為」、ということが大切であると書かれています。 



ですから、宗門関係者だけではなく、一般の人たちにも 「日本の伝統文化」、「和食の基礎」という観点からもシンプルかつ奥深い精進料理を体験していただきたいと思っています。 

そんなわけで、今回のブラジルでの会は精進料理を提供することにより、調理する時、いただく時の意識に目覚め、日本の食文化を感じてもらえたらと思ったのです。 



まずは、イチジクとアーモンドのアガー寄せ(市販のもの)と和三盆
お茶で始まりました。












今回のブラジルでの精進料理の会のメニュー 



飯:カブ菜の菜飯 焼きカブ、針生姜 

汁:のっぺい汁 パルミット(椰子の芽)入り 

香の物:カブとカブ菜の塩もみときゅうりの塩麹漬け 

煮物:くるま麩の煮付け、しいたけの含め煮、小松菜の煮浸し 

和え物:インゲンのごま味噌和え 

焼き物:ナスと揚げマンジョカ(キャッサバ)の甘味噌ダレ 



メニューを考えるときは、旬のものを使う、現地で調達できる野菜を使う、地元の特産物を使う、できるだけ、オーガニックなものを使う、ということに心を配ります。 




香の物




くるま麩の煮付け




そして、締めはヨモギ団子の黒蜜がけ(残念ながら写真はないですが。。。)






今回の食材は、ブラジルのヤマギシファームで調達した元気な野菜をふんだんに使うことができ、恵まれた環境にありました。

ヤマギシさんありがとう♪





ごぼう!

アクはなく、美味しいごぼうでした。

里芋も日本の里芋そのもの。









新生姜





カブや小松菜は柔らかく、みずみずしく感動します。

この度はブラジル カンピーナス地方にあるヴィラヤマギシさんから
提供していただきました。このヤマギシ農園は日本で1950年代に始まった、今では世界中にある農業共同体の一つです。

「ヤマギシズム生活実顕地は、そうですね、みんなが本当に幸せに生きていくって、どういう状態なのか、どう共に生きていくのか、実際にやってみようじゃないか、と願い実践してみてる人の集まりとでも言ったらいいのかなあ 」

とお話してくれたのは、日本で活動されている別の友人。




この木々の向こうにはキャッサバの畑が広がります。

農業を通して、みんなが幸せになるように生きて行くには。。。
という思い出育てられた野菜が美味しくないわけないですね。






友人たちがいること、そして、新鮮で美味しいオーガニックの野菜に惚れ、また、いつか、この地で、精進料理を作り、皆さんに食べていただきたいと思っています。 












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