薬膳料理を学ぶ (6) 春はめぐらす
「天の気をみる」
先日の講義の中で、心に残った言葉です。
ただ、その日の天候をみるのではなく、中国の思想文化の中で育まれた、言葉
「天人合一」(てんじんごういつ)のことだと考えます。
「天」とは自然・宇宙のこと、「人」は人間。自然・宇宙と人を統一体と考えて、
人間も自然界の一部で、互いに影響し合い、互いに助け合って生きていると言う考え方です。そして、これは東洋医学の基礎となっているということです。
天の気をみて、生活環境を自分自身の身体を調整し、整えていくことが大事なのですね。
大地が目覚め、動植物も一斉に目覚める春。この自然のサイクルの中で私たち人間だけがそれを無視して、冬と変わらない生活をしているような…。
家の中の空調は年中同じに設定され、マーケットでは一年中同じ野菜が出回り、
日が長くなっても、短くても同じペースで生活をする私たち。
これでは体調を乱すわけですね。
せめて、食べるもの、居住空間のあり方、余暇の過ごし方など自分で
少なからずともコントロールできるもは、意識を持って自然に添い遂げたいです。
講義の中でハッと気づきがあったのは、「春はめぐらす」という言葉でした。
天の気をみて、春の気をみて、
春はめぐらす
春一番、春風、春の嵐。というのはお天気のことだけではなく、自然界の一部である私たちの体の中でも起きているという考え、はあたらり前のようなのですが、自分自身の身体に当てはめて考え流ということは、したことがありませんでした。
春の陽気が盛んになるにつれて、私たちの体内でも気血の流れが活発になり、それは良いものだけではなく、病気の素も動き始めるということなのだそうです。
「体内の気をスムーズに巡らせて、病気の発生を防ぐことが大切です。
風がよく吹く春は、体の中も風が吹くように活動が活発になります。この活動をコントロールするのが「肝(肝臓)」です。中医学でいう「肝(肝臓)」は、血液の貯蔵だけでなく、気血の流れの調節、消化吸収機能の補助、精神情緒の安定、自律神経系の機能調節、筋肉の運動神経など重要な作用を行っている器官です。ここちよく吹いている分にはよいのですが、人体に悪影響を与えると『風邪(ふうじゃ)』という春に最も多い病気の原因となり、インフルエンザのようなさまざまな伝染性の病気を運んできます。また、花粉症なども『風邪(ふうじゃ)』による症状です。『風邪(ふうじゃ)』が体内に入り込んで重大な病気を引き起こさないように体を守る力をつけて予防することが、春の外的養生といえます。」
(https://ameblo.jp/dojin-koudai/entry-11175843246.html より)
なるほど、なるほど
季節のものを取り入れるということは、ただ、旬だからということだけではなく、その時期に、身体もそれらを欲しているということです。毎日の食卓に少しでも、旬のものを彩よく取り入れて行きたいですね。
中医学薬膳講義。
何気に普段使っている言葉、漢字を分解し、成り立ちとともに、それぞれの文字の本来の意味に触れる機会ともなり、とても興味深いです。
移り変わりの激しい春の天気。春一番が吹いたかと思えば、一昨日は嵐でした。雷がなり、雨から雪へと変わ利。一日で全部の季節を体験したようです。
でも地熱は上がっていると言う様子は、硬かったフジの蕾が膨らみ始めたことからも、オーチャードのさくらんぼの花が開き始めたことからもわかります。
今、こうだから、こうするという対処療法ではなく、
先を見越して、これから迎える夏を健康に過ごすために、今、春の時期にしておかなければならないこと。。
農耕民族であるアジア人、春にタネを蒔き、苗を植える。そして、一年かけてそれを育む。ということを、生き方として、もう一度見直して、生活すべきだとつくづく思います。
天の気をみることを忘れずに
参考文献:東洋医学の教科書
https://ameblo.jp/dojin-koudai/entry-11175843246.html
http://www.peopleschina.com/shehui/2008-12/09/content_169060.htm
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