慈悲と同情のはざまで
昨日、とうとう堪忍袋の尾が切れました。
「怒る」という行動が、これほどエネルギーを消耗するのかということを改めて実感した瞬間でした。
普段、どちらかというと毒舌で言いたいことは、何気にちくりちくりと言ったり、そうでなければ、深呼吸して、「まあ、いいけど…」と流すことができるのですが、溜まっていくものもあります。昨日は、その溜まっていたものが爆発したのですが、これが意外にすっきりせず、逆に心は荒んでしまいました。
ことの発端は、我が家に春先からよく現れ、今も敷地内にいる、夫ジェイの30年来の知り合い、通称ヒッピージョンが、私たち夫婦が一昨日一泊で出かけている間に、お風呂を使わせて欲しいと言ったことから始まりました。
夫、ジェイは「お風呂に入る時はバスルームのバスマットは巻いて隅っこに置いておくように」とつたえました。これは毎度のことですが、汚い足でその上を歩かれ、マットも汚すので。。
そして、私たちが留守の間に、「家の軒下の草取りを始めてたらどう?」と提案しました。
借りたお金は現金か、労働で返す、ということになっているからです。
労働といっても、ヒョロヒョロと背が高く、骨皮筋衛門骨で、体力もなく、力仕事はできないので、貸したお金は労働で返してもらうことになっています。
が、せいぜい、ポピーが群生している間にチョロチョロと生えた草を抜くのが仕事です。時間がある時、音楽を流しながら、重装備で草取りをしています。行動が遅いので、草取りをはじめるのは、だいたい夕方。
暗くなってきたらヘッドライトをつけてやっています。
30年以上この地域を拠点としてヒッピージョンは冬場は避寒インドですごし、暖かくなってきた今頃カリフォルニアを拠点として大きなバンで生活をしています。
冬場、インドに行く時にはお金を貸してやり、車を買う時にもお金を貸してやり、いない間の郵便物はジェイが受け取り、住所不定の彼に住所を貸しています。
今回も、ちょうど私たちがサンフランシスコから帰るときに、インドから帰国した彼をピックアップ、つれて帰ってきました。
(私としてはサンフランシスコからに5時間の道のり、彼の大声を車の中で聴きながらくるのは好ましくはありませんでしたが。)
私の常識では考えられない彼の行動と、それをサポートするジェイの優しい(?)姿勢ですが、最近はこう言うものかと受け入れられるようになってきた、と思ってはいます。
…思っていました。
こんな会話をしたこともあります。
ジョン:砂糖少し分けてくれない?
私:どうぞ
ジョン:「これ、オーガニック?」
私:ご飯たべる?
ジョン:なにがあるの?
そして、食べ残す。我が家の食器を車のまわりに放置する。
ジョン:「今回は草取り12時間やって、時給20ドルとして、240ドル。
ジェイにはあと借金が200ドルあるから、それを引くと、40ドル。
あとで僕に払ってくれればいいから。。」
横で聞いてる私:草取り、時給20ドル??? 40ドル払え???
「。。。。。。。。。。。。」
時々やってきては、我が家から電気を引き、ワイファイをつかっています。
地域の知り合いにはほぼ全員そっぽをむかれ、「敷地に入るな」、「立ち入り禁止」と勧告されてしまっているのです。そんな彼を周りが見捨てられない、どこへも行くところがないからと夫は彼をうけいれ、仕事の世話、生活の世話をするわけです。
ジェイもかなり言いますが、ここまでくると、ジェイの彼に対する言葉使いにももなんらかしら、やさしさがあるような、
これが「慈悲の心」の現れ
なのかも、と思うくらいです。
さて、話は昨日にもどります。
私たちが帰宅すると、バンを横付けしてあるのを見つけます。ちらかし放題。
普段は家の近くに止めないように、坂の上の車庫にところに止めるように、言ってあるにも関わらずです。
家の電話がポーチにでていました。ポーチで電話を使ったのです。
家の周りの草取りをはじめてと伝えていったにも関わらず、まだ何もしていなく、色々と遅くなった言い訳を語りながら、今お風呂にはいったばかりだと、いってました。
私がバスルームへ行ってみると、
私たちののバスタオルが床にしいてあるではないですか!
バスマットを汚すか巻いて片付けておいてと言ったのに、
その代わりに私たちのバスタオルを床に敷くなんて!
さすがに、ジェイも怒り、
「なぜ、伝えたことを実行に移せないのか。お金をすぐ返せとはいわないけれど、その態度はなんだ?
それなら、引けないのに高価なギター、パソコンはMacBook Pro、携帯はiPhoneを売ってもお金を返すのが筋だろうと」説教しましたが。
糠に釘。
「仕事の口はあるから、お金は返す。今度はフルタイムで仕事する。」
などなど、
ありえない夢見たいな話をとうとうとするのです。
それを聞く、ジェイの寛容な姿勢(普段はかなり気が短くせっかちなのに)に
私は苛立ち、
それを手玉にとっているとしか、思われないジョンの、のらりくらりと、返す言葉に私はイラっとき、爆発しました。
私:ジョン、私のタオルをバスマット代わりにつかうなんて言語道断!
ジョン:床が濡れるとおもったから。ソーリー
私:私だって、自分のものだって、バスタオルは床にはしかない。
いい加減にして、すぐ、片付けて、私の前からいなくなって!
ルールが守れないのであれば、家に入らないで。
私たちが留守の時は家にはいらないです。
今すぐそこの散らかしたものは撤去して!
と、怒鳴り散らしました。
冷蔵庫はつかう、冷凍庫はつかう。
(汚い手で出し入れをするので外側も汚れる。入れるものも汚いので、中もよごれている)
私たちが留守のとき、棚に、自分の使い残したものをいれる。
クローゼットに自分の私物をおしこむ。
ゴミは放置する。
いない間に洗濯機乾燥機はつかう。
洗濯機はまだしも、ちなみに、私はここにきて、乾燥機は一回も使っていません。
干せばすぐ乾くのですから!!
などなど、思い出したらキリがありません。いろんなことが頭の中からふつふつと湧き上がり、自分の頭から湯気どころか、炎がでているのではないかと思うくらい、怒り、声は震え、心臓はばくばくとしました。
さすがのジェイも、そんな私の姿をみて、
「そんなに大声で怒った姿ははじめてみたと。。」 汗
こんなことがあると、さすがに平常心に戻るまで時間がかかりました。
残りの昨日は、家事放棄。全て放棄。
かわいそうなジェイは一人で夕食を用意したべていました。
こんなことで、こんな人のために、こんなエネルギーをつかい、何と言うことか、
心が痛みます。(かれに言ったことに対しては痛みませんが)
良いことだとは思うけれど、ヒッピージョンを見捨てない夫の姿勢にも苛立ち、良いことしている夫に苛立つ自分にも苛立ちました。
私もお寺育ち、身寄りのない人を受け入れ、共に生活をしてきたので、他人が家のまわりにいるのは平気ですし、かなり寛容な方だとは思っていますが、ここまで常識が違い、ルールが守れないのはこまります。
こういうやりとりをしながら、少しずつ、ヒッピージョンにもルールを教えていっているのは確かですが、長い道のりです。
人は直接、変えることはできない。
それなら、こちらの対応を変えてみよう。
人は直接、変えることはできない。
それなら、こちらの対応を変えてみよう。
ジョンは病んでる、病気だよ。若い時にドラッグをやりすぎて、脳みそが焼けてる。。誰も彼を無視するし、かわいそうな奴だ、とジェイはいいますが。。
今ハワイ島の火山が噴火していますが、まさに、噴火状態。鎮火するまでには少し時間がかかるのではないかと思っています。
今日は母の日。
ポットラックのパーティーに呼ばれているのですが、行かないことにしました。
一人家で心の調整をしようと思っています。
深呼吸。
深呼吸。
精進あるのみ。
今日はのんびり、外をみながら過ごすとしましょう。
自然の中で、心の浄化。
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